都立・公社病院の独立行政法人化に道理はない!コロナ禍ですすめる矛盾がうきぼりに
独法化の都のねらいは財政支出の削減
独法化を提言した検討会(都立病院経営委員会)の委員長は、独法化後の都からの財政支援について、「従前のままでは何のための独法化か」と発言しました。都のねらいは、財政支出の削減にほかならないことはこの発言からも明らかです。
独法化で経営効率優先にされたら、感染症、災害、難病、小児、周産期、救急、障害者、島しょ医療など不採算ではあっても都民の命と健康を守るためにはなくてはならない、行政的医療が後退し、患者負担が増えるのは明らかです。
独法化された病院は
実際に、都が先に独法化した健康長寿医療センターでは、独法化後に病床が161床も減らされ、患者負担の重い差額ベッドが増やされました。東大病院では、1日最大23万円(差額ベッド料)の超高級特別病室がつくられました。
都民の命より独法化を優先
都は、今年2~3月の定例会に独法化の議案(定款)を出そうとしていましたが、コロナ対策を最優先にするとして見送りました。ところが今回、小池知事は、コロナ第5波の真最中に独法化の議案提出準備をすすめ、来年7月の法人設立をめざす方針は、重症者が最多の297人となった8月28日のなんと前日に決めていことが、わが党の質疑で明らかになりました。都民の命より独法化優先の暴挙です。
都が言う独法化の理由も全て破綻
都は、医師が兼業できないこと、専門看護師が確保しづらいことを、独法化の理由としました。しかし、わが党の質疑で、兼業できず採用できなかったのは、たった1事例にすぎないことが明らかになりました。また、都は専門看護師が何人必要なのかも、示すことができませんでした。「なぜ、いま独法化するのか」という根本的な問いに、まともに答えられなかったのです。
どの会派もコロナ禍での都立・公社病院の役割を高く評価しながら定款に賛成し可決した自民、公明、都民ファなどの責任はきわめて重大
都立・公社病院が、コロナ禍で大事な役割をしっかり果たしていることは、ほとんどの会派が高く評価しました。「独法化しなければ解決できない重大な不都合が何かあったのか」というわが党の質問に、都は答えることができませんでした。
コロナ禍で経営形態を変えることを心配する都民の声もあるなどと言いながら、独法化の「定款」に賛成し可決させた、自民、公明、都民ファなどの責任は、きわめて重大です。
都立・公社病院の独立行政法人化はまだ止められる!
連日、都庁前や都内各地で独法化中止を求める行動が行われ、20万筆を超える署名が提出されています。「定款」は可決されましたが、独立法人設立は来年7月予定であり、まだ多くの手続きが必要です。独法化はまだ止められます。わが党は引きつづき、議会内外のみなさんとともに、全力をつくす決意です。